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あと少し・・・(ぴのろ様のイラストに寄せて)

2011–05–14 (Sat) 23:51
このお話は、相互リンクをして頂いております、
“空と花と君と”管理人 ぴのろ様が描いて下さった、
私のリクエストのイラストに寄せて書かせて頂きました。

キスする寸前のイラストをリクエストしまして、
私の思っていた、理想通りのワンシーンを描き上げて下さいました。
ぴのろ様、本当にありがとうございます<(_ _)>
お陰様で、また新しいお話を書かせて頂く事が出来ました。

それでは、いってらっしゃいませ。




あと少し・・・(ぴのろ様のイラストに寄せて)

今日も、レッスンだの、書類のチェックだの、沢山の予定をすべてこなした。
セバスチャンが管理する僕の時間には、僅かな休憩時間しかなく、
かといって、僕自身が仕事の事が頭から離れない性質なので、
一日は、いつもあっという間に過ぎ去ってしまう。
晩餐の後、疲れた頭を本の世界で遊ばせていると、少しうとうとしていたようだ。
耳をくすぐる低く甘い声に起こされた。
「坊ちゃん、このような所でうたた寝なさっては、お風邪を召しますよ。」
僕の顔を覗き込むのは、英国随一との呼び声の高い有能な執事。
夜会で、ほぼすべての淑女達の目を奪う、秀麗な容貌と優雅な物腰も噂に高い。
しかし、こいつの本性を知ってなお、その賞賛を送る事が出来る人間は、多くはない。
だが、僕は正体を知っているうえで、ヤツをかっている。
ヤツを召還し、契約をしたのは、この僕だから。
あの日、僕の声に応えて現れたのは、漆黒の悪魔だった。

セバスチャンは、僕を風呂から上げて、夜着に着かえさせているところだ。
薔薇の香りの石鹸で洗いあげられた体からは、ゆらゆらと湯気が立つ。
薄い皮膚の下を流れる血管が、温められ、膨張して、勢いよく血を巡らせるから、
僕の肌は、上気してほんのり赤く染まっている。
真っ白な夜着とのコントラストは、ヤツのお気に入りだ。
「美しいですね。」
うっとりと発音する声は、何度聞いても艶めかしい。
湯気を含んでしとった黒髪が、ヤツの顔に張り付く様は、エロティックだ。
それは、事後の、汗に濡れた様子を思い出させる。
「フン」
鼻で笑うのは、この後の展開を僕が知っているからだった。
セバスチャンが、紅茶色の瞳に色を滲ませている。
夜着のボタンの最後の一つを止め終えると、その場に立ち上がり、僕を見下ろす。
手の甲に契約印を刻んだ左手が、同じものを宿す僕の右目を露わにしようと、
ほっそりと長い指先で、僕の前髪を掻き揚げていく。
僕は、右のアメジスト色の契約の瞳と、左の碧い瞳で真っ直ぐにヤツを見上げる。
「本当に、美しいですね。」
まじまじと見詰められるのは、僕の鼓動を早くするから嫌いだ。
そんな揺れを見つけて、ヤツは僅かに口角を上げる。

セバスチャンは、目だけで見上げていた僕の頤に手を掛けて、上を向かせた。
花に吸い寄せられる蝶のように、滑らかな動きで、ヤツの顔が近付く。
触れるか触れないかの唇の感触が、額に落とされる。
右の瞼に、左の瞼に、そして両頬を経由して、やっと唇へと辿り着いた。
触れて、離れる、また触れる。
ヤツの唇が、僕の唇を挟む。
何度も繰り返される遊びに、僕の口から甘い溜息が零れた。
それを合図にするかのように、セバスチャンの悪戯な唇は、また旅を再開する。
僕の唇を離れ、顎先へ、喉に、鎖骨に、胸元に。
いつの間に下げられたのか気付かずにいたが、左の肩が露わにされて、
そこにもキスが降ってきた。
頬が、熱い。
脈拍は、上昇の一途。
膝から力が抜けそうで、ヤツの頸に腕を回し、力を込める。
「坊ちゃん・・。」
吐息交じりの声で僕を呼ぶな。
そんな風に呼ぶお前の声は扇情的過ぎて、眩暈がしそうだ。

「んっ・・。」
思わず、声を溢れさせてしまった。
仰け反らせた頭を、セバスチャンの大きな手に支えられる。
ヤツは、一つ、甘く深い溜息を吐き、僕を抱き上げて言う。
「続きは寝室で。ね、坊ちゃん。」
紅茶色の切れ長の目が、妖しく揺れて見えるのは気のせいではない。
僕は、きっちりと締められているヤツのネクタイが気に入らなかった。
指を掛けて、緩めていく。
絹の音までなまめかしい。
シャツの襟元も肌蹴たので、鎖骨が見えた。
この鎖骨に、噛みついてやりたいと思う。
「今夜の坊ちゃんは、積極的ですね。」
セバスチャンが、くすりと笑った。
「なんだ、積極的なのは厭なのか?」
紅潮しているだろう頬の熱さを感じながら、問い掛けた。
「とんでもございません。むしろ、歓迎いたしますよ。」
ヤツは、標準装備の人好きのする笑顔ではなく、
叔母様に、いかがわしいだの、ふしだらだの言われても、
なるほど、これなら仕方が無いと思う笑顔をみせる。
艶を見せつけようとしている笑顔。
セバスチャンの瞳は、紅茶色から、徐々に赤味を強くしていく。

セバスチャンに抱き上げられている僕は、赤く染まっていく瞳を見下ろして、
淡い笑みを口元に浮かべる。
ヤツが、僕の視線を捉えたまま、顔を近づけてきた。
僕の唇を食もうと、うっすら口を開いている。
キスまで、あと少し・・・。



End




※※※  ※※※  ※※※

あとがき

企画用の執筆などで、少々手間取っておりますが、
出来るだけ、週に最低1作はUPしていく予定でおります。

皆様のまたのお越しを心よりお待ち申し上げております。

               たままはなま
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コメント

来ましたよ(*´∇`*)

アーサーですヽ(*´▽)ノ♪素晴らしく、感動したよーヽ( ̄▽ ̄)ノかなり楽しみにしてます♪これからも見に来るね♪
かなり好みの文章でもードキドキが止まりません♪←www

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プロフィール

たままはなま

Author:たままはなま
生息地域 日本で唯一、神無月の無い県
誕生日  5月24日(双子座)
血液型  AB型
行動の指針 後悔は少ない方がいい。やらずに後悔する位なら、今やって失敗した方がいい。「このままで、明日、命を落としても後悔しないか?」これが、最終判断の基準です。
黒執事キャラ占いで、47%がセバスチャン、タナカが33%、劉が10数%、葬儀屋が8%、アバーラインが数%、坊ちゃんが1%で出来ていると出た人。
歯医者の待ち時間や、通勤の運転中にも、次回の執筆のネタを考えている創作好き。
こんな管理人でございますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます<(_)>

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