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赤ずきんちゃんにご用心

2011–05–10 (Tue) 23:53
このお話は、相互リンクさせて頂いている、
“空と花と君と”管理人 ぴのろ様のリクエスト、
『赤ずきんちゃんパロ』のつもりで書きました^^;

大筋以外は、パロになっていないかも知れません。
大変申し訳ございません;;
分かりにくいでしょうから、キャストをご紹介しておきます。

赤ずきんちゃん・・・坊ちゃん
お母さん(?)・・・セバスチャン
お婆さん(?)・・・アバーライン
オオカミ・・・・・・劉
そんな気持ちで、お読み下さいませ^_^;

それでは、いってらっしゃいませ。



赤ずきんちゃんにご用心

あるところに、とても可愛い坊ちゃんがいました。
ミッドナイトブルーの髪、左の瞳は澄んだ碧、右目には眼帯。
眼帯の下の瞳は、誰にも見せません。
両親を失った事件の時、彼の目は傷ついてしまったからです。
けれど、その眼帯の下を見る事を許されている者が、一人だけいました。
坊ちゃんの執事、セバスチャンです。
彼は、坊ちゃんの瞳に隠された秘密を共有する者。
ただ一人、坊ちゃんの背中を護る事を許された者でした。

ある日、坊ちゃんに大事な用事が出来ました。
女王様の命令で調査をしていた裏の事件の調査結果を、
表側で調べている担当刑事のアバーラインに届ける事。
少々面倒な事件の為、アバーラインは素性を偽って、某所で調査をしていました。
そうしないと、命の危険が、アバーラインの近辺の人たちにまで及ぶからです。
その某所へは、特別な人たちしか出入りが出来ない事になっていましたので、
坊ちゃんが届ける事になったのでした。

「坊ちゃんをお一人で行かせるような事は、納得できかねます。」
坊ちゃんの執事は、一人で行くという坊ちゃんを引き止めましたが、
長身に漆黒の髪、秀麗な容貌の彼が傍に居ては、
いくら変装しても人目を引いてしまいますから、坊ちゃんはだめだと言いました。
「大丈夫だ。ただ、調査書を渡して来るだけの事だ。」
そう言って、坊ちゃんは、出かけて行きました。
執事は、眉を寄せて、不満な顔をしていますが、優雅な礼をして、
大事な書類を隠し持った坊ちゃんを見送りました。

フードの付いた赤いマントを着た坊ちゃんは、どんどん歩いて行きます。
坊ちゃんは、目的以外には興味のない人ですし、
脇目も振らず、どんどん、どんどん、ただ目的地へ向けて歩いて行ってしまいます。
このまま、すぐに用事を済ませてしまえるかと思われましたが、
坊ちゃんを呼び止める者が現れました。
「伯爵~、珍しいね、一人でお出かけとは。
とうとう執事君に愛想をつかされちゃったのかな~?」
彼は、仕事の関係で付き合いのある劉です。
「うるさい。構うな。」
可愛らしい容姿の坊ちゃんは、口を開けばこの調子です。
姿に似合わず、とても口の悪い子供でした。
坊ちゃんは、劉には構わず、どんどんと先へ行きます。
「相変わらず、冷たいね~、伯爵は。」
「はっ。冷たいも熱いもあるまい。」
坊ちゃんは、歩調を緩めることもありません。
後ろから付いてくる劉には目もくれず、一言、言い放ちました。
「邪魔者は帰れ。」
大抵の人は、これで撃退されてしまいますが、劉だけは、そうはいかないのでした。
「まあまあ、そんな事言わずに。
我が、執事君の代わりに君のお守りをしてあげるから。」
坊ちゃんは、付いてくる劉を振り返って言いました。
「お守りとはなんだ?!いいから帰れ!!」
どうやら、坊ちゃんのご機嫌を損ねたようです。
「でも、捕まるのが趣味みたいだから危ないよ~。」
坊ちゃんは、以前に敵の手に囚われた事が、一度ならずあるので、
それは、執事にも言われたことでした。
「そんな趣味は無い!」
坊ちゃんの不機嫌もまったく意に介そうとしない様子の劉は、
どんどん歩く坊ちゃんの斜め後ろに、ピタリと着いて来るのです。
其処は、いつもは執事の位置でした。
坊ちゃんは、そこに執事以外のものがいる事が落ち着きません。
「お前は、どれだけ暇なんだ。イーストエンドの中で起こることは、
お前に統括させている筈だが?」
劉は、表では貿易会社の支店長、裏では、中国マフィアの幹部。
その両方の顔で、坊ちゃんの仕事と繋がりをもっているのでした。
「ちゃんとやってるよ~。」
ヘラヘラしているだけではないのです。
彼は、中国武術にも秀でていて、暗殺の為の秘術の使い手でもありました。
「ああ、もう、うっとおしい。仕事の邪魔だ、付いて来るな!」
とうとう、坊ちゃんを怒らせてしまいました。
「そんなに怒らなくてもいいじゃないか、伯爵~。」
坊ちゃんは、目を三角にして、劉を睨みつけました。
劉は、両手を上げて、降参を示しました。
「分かったよ。それじゃ、またね~。」
本心の見えない笑いを残して、劉は伯爵から離れて行きました。

坊ちゃんは、どんどん、どんどん、歩きました。
そして、ある建物に入って行きました。

案内されたのは、部外者以外立ち入り禁止の札が下げられた小さな部屋でした。
綺麗とは言えない部屋の、綺麗とは言えないベッドの上に横になっている人。
「お前・・!何をしている、劉?!」
坊ちゃんは、大きな目をさらに見開き、驚いていました。
「アバーライン君は、調査に行ってるらしいよ~。」
ヘラヘラ笑っているのは、さっき追い返した劉でした。
「どうしてお前がここに居るんだ?」
坊ちゃんの声は、不機嫌そのものでした。
「やだな~、仕事に決まってるじゃないか~。」
相変わらず、掴みどころのない男だと、坊ちゃんは思いました。
「どの筋の仕事だ?」
眉間の皺も愛らしいと劉が思っているのは知らずに、坊ちゃんは問います。
「裏だよ。」
滅多に見せることのない冷たい笑みを浮かべた顔で、
劉は、低い声で言いました。
「伯爵の手を煩わせるのも面白いんだけど、我が無能と思われるのも、
あまり嬉しくないのでね。」
ニヤリと笑いながらも、この件に関して、あまりご機嫌ではないと、
付き合いの長い坊ちゃんには分かったのでした。
「ふん、そうか。」
坊ちゃんは、よくやったと褒めてくれるような人ではないことなど、
劉も充分に知っていました。
「せっかく、仕事を一つ減らしてあげたのに、お礼も無しかい?」
ベッドの横に立っていた坊ちゃんに、劉が手を差し伸べます。
「お前の都合で片付けただけだろう。どうして僕が礼を言う必要があるんだ。」
坊ちゃんの手を取った劉は、クスリと笑いました。
「犬を飼い慣らしておくには、ご褒美が必要だよ、伯爵。」
手を取られたままにはしていても、それを快く許している訳ではないのは、
坊ちゃんの冷ややかな目つきから分かります。
「お前の褒美になるつもりはない。」
「ふ~ん。じゃあ、誰の褒美にならなるのかなぁ。ねえ、伯爵?」
劉は、薄く瞼を持ち上げて言いました。
こんな時の劉は、ちょっと、本気を出しているのです。
「誰の褒美にもならない。」
坊ちゃんは表情も無く、あっさりと言いました。
「嘘はよくないよ~。もう、誰かのご褒美になっちゃてるんじゃないのかな~。」
飄々とした物言いですが、瞼をさらに持ち上げていて、
普段見せない瞳が、坊ちゃんを捉えているのがよく見えます。
「何を言っているのか、さっぱり分からんな。」
あくまで、無表情を装う坊ちゃんでした。
「へ~、まあ、別に我はかまわないけどね~。
伯爵が誰のご褒美になっていても、なっていなくても。」
ざっ、と体勢を入れ替えられて、坊ちゃんはベッドに寝かされてしまいました。
フードの付いた赤いマントの上の坊ちゃんは、
ミッドナイトブルーの髪を散らし、長い睫にふちどられた碧い瞳を見開いて、
薄く開いたふっくらとした唇が薄紅に艶を帯びて、とても美しいのでした。
「伯爵からご褒美を貰うのは、執事君のいない時しかないからね~。」
ベッドに坊ちゃんの細い手首を押さえつけて、劉は、柔らかく微笑みました。
坊ちゃんは、動じる様子がありません。
「な~んだ、伯爵。意外と我の事を待ってたりしたのかな~。」
劉は、坊ちゃんに覆いかぶさるようにして、顔を寄せてきました。
目を閉じる事なく、坊ちゃんの碧い眼を見詰めながら近づき、
今にも唇の温度を知る事が出来るという時、白い色が素早く目の前を横切ったのです。
「お戯れは程々になさって頂きます。」
涼やかなその声は、坊ちゃんの執事のものでした。
いつの間に現れたのか、劉の真横に立っています。
さっき、劉の目の端を横切った白いものは、執事の白い手袋に包まれた手でした。
執事の手によって、坊ちゃんの口元が覆われたのです。
「執事君、君、何処から入って来たの?」
ニッコリと笑顔を貼り付けている執事に、劉は訝しげな目を向けました。
「当然、ドアから入って参りましたが?」
執事のその答えは、劉には信じられないものでした。
「伯爵が入って来てドアを閉めたら、鍵が掛かるように細工をしてあった筈だよ。」
幾分、劉の声はヒンヤリしています。
「さあ、そうおっしゃられましても・・。
坊ちゃんが、ドアをきちんとお閉めになられていなかったのかもしれませんね。」
執事の口角が、切れ上がるように上を向きます。
「坊ちゃん、中庭でアバーライン様がお待ちですよ。参りましょう。」
甘い笑みを湛え、執事は坊ちゃんをベッドから抱き上げて、
しっかりと腕の中にしまってしまいました。
「御髪が乱れてしまいましたね。」
そう言って、坊ちゃんの髪を直します。
坊ちゃんは、劉を振り返って言いました。
「もっと真面目に仕事に励んだら、何か褒美を考えてやる。
お前の望み通りとはいかないがな。」
不敵に笑った坊ちゃんは、執事の頸に、その細い腕を回しました。
「行くぞ、セバスチャン。」
執事が満足そうに答えます。
「御意。」
劉の目の前で、坊ちゃんを抱き直した執事の目が自分を見て、
少し嘲る感じで笑ったように感じた劉でした。
「劉様、それでは失礼いたします。」
執事と、執事に抱かれた坊ちゃんが部屋を出て行った後、
劉は、ドアのカギを確かめました。
「・・・・・。」
ドアのカギに仕掛けた細工は、機能しなかったのではなく、
確かに思惑通りに作動した後、破壊された形跡を残していました。
音も無く、壊されたのです。
そして、足音一つさせずに、劉の横に絶妙のタイミングで現れた執事を、
不審に思うなという方が無理な話です。
坊ちゃんを愛おしげに抱き締めながら去った執事の優越の表情を、
今夜は、多分忘れられないだろうと、劉は思いました。
ふっと、片頬だけで笑みを作ります。
「大変なものに気に入られたようだね~、伯爵は。」

坊ちゃんの傍に付き従うのは、坊ちゃんを存在の全てで護る者。
守護悪魔を連れた赤ずきんちゃんは、自覚も無く他者を魅了してしまうのです。
くれぐれも、赤ずきんちゃんにはご用心下さい。



End



※※※  ※※※  ※※※

あとがき

厳密には、パロとは言えないかもしれませんが、
こんなのもアリと思って下さいました方、挙手をお願いします。<(_ _)>

               たままはなま
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たままはなま

Author:たままはなま
生息地域 日本で唯一、神無月の無い県
誕生日  5月24日(双子座)
血液型  AB型
行動の指針 後悔は少ない方がいい。やらずに後悔する位なら、今やって失敗した方がいい。「このままで、明日、命を落としても後悔しないか?」これが、最終判断の基準です。
黒執事キャラ占いで、47%がセバスチャン、タナカが33%、劉が10数%、葬儀屋が8%、アバーラインが数%、坊ちゃんが1%で出来ていると出た人。
歯医者の待ち時間や、通勤の運転中にも、次回の執筆のネタを考えている創作好き。
こんな管理人でございますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます<(_)>

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