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マダム バタフライ(アロイス 一人語り)

2011–04–29 (Fri) 00:01
このお話は、“不死蝶”企画参加作品の第2弾です。
セバシエ書きの私が、初めて書くクロアロです。
クロードは、出演致しませんけれど^_^;

どうも、私の使い難い言葉を使うアロイスに話してもらうのは、大変で、
予想以上に難しい作業となりました。

かなり頑張って書いた感じですが、
クロアロの世界観が、正しく現せていますでしょうか?

それでは、いってらっしゃいませ。



マダム バタフライ

薔薇迷宮で、悪魔たちが争っているのを見ていた俺。
意識の奥からは、シエルも自分の悪魔を見ていた。
そう、シエルが本当の意味で見ていたのは、お前なんかじゃないのさ。
ただ、セバスチャンだけ。
俺?だから、悪魔たちって言ってるの、聞いてなかった?
どっちが勝ったって、別に、どうでもいいんだからさ。
高みの見物ってわけ。
まあ、お前の馬鹿さ加減を見るのは、面白かったかな。
お前には見えやしないんだから仕方がないけど、
塔から見下ろしたお前は、ホント、ただのバカ。
何度も何度も、同じところでしくじって、ぐるぐる、ぐるぐる回ってさ。
手に入るものを手に入れようとせず、手に入る事の無いものを求めて。
まるで、俺みたいじゃないか・・・。

お前が欲しがっているシエルと、セバスチャンが欲しがっているシエルは、別物だ。
欲望と執着の方向性と深度が、まるで違う。
それを分かっていなかった段階で、既にお前に勝ち目は無かったんだよ。
死の島での決闘の勝敗の差は、そこにあったんだ。
まあ、拮抗していたけれど、最終的には実力の発揮において、
お前はバカな分、もう負けていたって事なんだよね。
だから、俺にしとけばよかったんだって。
万一、お前が勝ったところで、お前にシエルはやらなかったけど、絶対に。

お前が欲しがっていたのは、美しく、高貴で、矜持の高い、
未だかつて味わった事のない、結局は“極上の餌”としてのシエルだ。
セバスチャンが欲しがっていたのは、美しく、高貴で、矜持の高い、
未だかつて味わった事のない、“極上の主”としてのシエル。
餌は、取り込むもの、主は、虜にするもの。
この違いが、お前には分かっていなかったのさ。
バカ丸出しだよ、クロード。
何でも分かっているような顔してても、何にも分かっちゃいない。
もっと美味しいものが食べたいとか、分かるけどさ、
そういう問題じゃないって話だよ。
ほんっと、お前は詰めが甘いっていうか、どっか抜けてるんだよ。
バッカじゃないのかって思うんだよね。
ま、俺もバカだったけどね。
主従そろってバカだよ、俺たちは。

俺って、足元を見てなかったんだな。
お前との距離を測り損ねたバカ。
求め過ぎたんだ、何もかもを。
俺は、与えることを知らなかった。
だから、俺がお前を求めるようには、お前は俺を求めなかったのかもしれない。
そこに、距離感の齟齬が生じて、俺たちは、こんな事になったってわけだ。
こういうの、片思いっていうのかな。

俺に対して表情を持たなかったお前が笑ったとき、
あれは、ほんっとに気色悪かったよ。
トラウマになりそうだ。
お前が企みを持った時は、あんな風に柔らかく、優しそうに笑うんだって、
今度からは覚えておくよ。
なんか、浮気してる男が妻にやたらと優しくなるっていうのと同じだな。
まったく、笑えるったら。

お前は、より美味しいディナーの為に、俺の命の灯を消した。
契約に、俺を殺すなって入れておくべきだったな。
そしたら、俺は殺されなかった。
少なくとも、お前には。
お前は、より美味しいディナーの為なら、
予約までいれた料理を、いとも簡単に反古にする。
しかも、後は仕上げだけと言うところまで出来ているんだっていうのにさ。
どんだけ執着してんだか。
美味しい、美味しい極上の餌に。
美食家を気取ったところで、どうせ本当はバカ舌なんだから。
お前には、俺の本当の味だって分からなかったんじゃないのか?
味見もしないで、シエルの方がウマイって決め付けてたけど。
お前なんかには、俺の魂くらいが丁度いいんだよ。
複雑な味を堪能する為の舌が無い奴には、複雑な味なんて意味が無いだろう。
餌なんてものは、適当にシンプルな方がいいのさ。
フィッシュ・アンド・チップスみたいに。

俺とシエルは背中合わせで、話をしてた。
神様なんか信じてない俺は、どうせ普通に死んだところで、
神の国になんか行けやしないし、どうなるのかなんて知らないと言った。
シエルは、日本から来た家令から聞いた話をした。
その国には、輪廻と言う考え方があって、
死者の魂は、生前の行いによって振り分けられて、
新しい体を与えられ、現世に生まれ変わるのだという話だった 。
命のあるもの全て、命のないもの、形の無いものにも魂が宿るという思想を持つ国。
全ての魂は、そうやって輪廻を繰り返すのだという。
俺は、シエルの体から取り出されれば、ただの一個の魂。
だから、輪廻の輪に加われるんだってさ。
悪魔だって、死ねば一個の魂に過ぎないだろう?
そうしたら、お前も輪廻に加わるってことだよな。
シエルは、前世で縁の深かったものは、次の世でもめぐり合うと言っていた。
次の世で、思い残した事が報われる事もあるのだと。
それなら。
俺は、お前を待っててやるよ。
お前は、死ぬ時になってやっと、お前にとっての俺の価値に気が付いたんだからな。
バカもほどほどにしろって。
まったく、かわいそうなヤツだ。
だから、待っててやる。
お前が、俺を見つけられるまで、ずっと、いつまでだって。

シエルは、執事と共に行くと決めた。
永劫の闇に属する者になっても、それならそれで、共に在る事を選んだ。
成り行きのようでありながら、揺るぎない、自身による選択だと言う。
冷静なように見えて、内側に灼熱を抱えているのは、悪魔の共通項ってやつなのかな。
シエルは、悪魔らしい悪魔だよな。

俺は、そんなに激しくないから、待ってる。
そのメガネが、ダテでないところを見せてみろよ。
必ず、俺を見つけろ。
出来るだろう、クロード、お前なら。
俺を絡め取った糸を手繰ればいいんだ。
お前の蝶を、手に入れろ。



End



※※※  ※※※ ※※※

あとがき

如何でしたでしょうか?
クロアロファンの方、世界観が間違っていたら、
申し訳ございません^_^;

アロイスは、私の中で、“非常に不安定な状態の人”でした。
これは、彼の魂は消滅したのでなく、解放されたのだと捉え、
安定した状態を取り戻したアロイスを書いてみたつもりです。
『悪くない』と思って頂けるようでしたら、
挙手してやって下さいますと、喜びます。

             たままはなま

追記
この度、pixivへの投稿に伴い、twitterを始めました。
普段は見られない姿をさらしております。
時々、140文字以内の、セバシエ文を呟きます^_^;
少々危険ですので、覚悟を決めてご覧下さいませ。
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たままはなま

Author:たままはなま
生息地域 日本で唯一、神無月の無い県
誕生日  5月24日(双子座)
血液型  AB型
行動の指針 後悔は少ない方がいい。やらずに後悔する位なら、今やって失敗した方がいい。「このままで、明日、命を落としても後悔しないか?」これが、最終判断の基準です。
黒執事キャラ占いで、47%がセバスチャン、タナカが33%、劉が10数%、葬儀屋が8%、アバーラインが数%、坊ちゃんが1%で出来ていると出た人。
歯医者の待ち時間や、通勤の運転中にも、次回の執筆のネタを考えている創作好き。
こんな管理人でございますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます<(_)>

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