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お題による140字SS集

2014–06–22 (Sun) 21:55
すっかりご無沙汰致しております。
ある程度の文字数のお話を書く為のリハビリとして呟くところにて、
セバシエポストというお題提供アカウントがあり、
そこでお題に沿って書いた140字SSが溜まりましたので、
纏めたものをUPさせて頂く事に致しました。
お目汚しではございますが、読んでやって下さると嬉しく思います。

それでは、いってらっしゃいませ。


お題による140字SS集



「6月の花嫁」
つい昨日の事のようなのに、あれから数年も経っていた。教会の屋根に腰掛けて見下ろす先には白いドレスを着たリジーがいる。隣には夜会で何度か顔を合わせた事のある若い男が寄り添い手を取って視線を交わす。6月の花嫁が幸せそうに微笑む姿を見届けて、僕の背後に控える執事を従え住処へと帰った。

「雨」
昼間だというのに重く垂れ込めた雲の所為で薄暗い部屋の中に響く荒い息遣い、あられもない音。使用人達が立ち働いている時間に坊っちゃんを啼かせ続けている。乱れながらも誰かに聞かれてしまうのを恐れて必死に声を抑えようとする姿がたまらない。激しく雨の降る日の秘め事は、私の最高の楽しみだ。

「吐息」
夜の帳の中、窓から見下ろす白薔薇が満月に照らされて青く見える。この世に存在しない色。けれど人はそれを現実のものにしようと試行錯誤を繰り返す。決して実を結びはしないのに。幾度となく互の吐息を零距離で感じようとも僕と奴との間には永遠の2分の1の法則が横たわるのと同じだと一人嘲笑した。

「泥酔」
私は人の飲食物を口にする真似事はしても本当の意味で摂取しているわけではない。だから当然アルコールに酔う事などないのだ。だが最近気づいた。今までのどの契約者よりも美味になるであろう子供の魂が熟成される様に魅入られていくのは酔いに似ているのではないかと。それなら私は既に泥酔している。

「罠」
「もう夏になるというのに今夜は冷えるな。」「そうですね。ブランケットをご用意いたしましょう。」模範的な回答だ。「それでは暑すぎる。」「ですがお体を冷やしては…。」眉尻を下げる執事。「温める方法なら他にもあるだろう?」目を合わせてニヤリと笑う。僕の仕掛けた罠に奴は容易く落ちてくる。

「悪魔」
僕にとっての奴は駒。奴にとっての僕は餌。そういう契約だった。しかし当初はなかった条項が何時の間にか加えられたのは何時だったか。働きに見合うだけの褒美をその都度与える。そんな条項が。所有印を互いの肌に残すのに、翌日のあいつには残っていない。悪魔にとって僕は仮初の主だからなのだろう。

「悪魔 2」
気を抜く事の出来ない駆け引き。まさに食うか食われるか。ナイトティーを供しに来た奴の目がこちらを向いているのを確かめて大きく足を組みかえる。見ない振りをして表情を変えないでいてもタイミングを図っているに違いない。さて、どう出る?部屋を出れば僕の、このまま残ればお前の負けだぞ悪魔。

「悪魔 3」
この小さな主は私を楽しませてやまない。予測の上をいく事を考えて驚かせる。少々、いやかなり使い方が荒いところも一興だ。月日を重ねていく毎に、確実に魂は熟成され芳醇な香りを放っていき「その時」までに何れ程美味になるのだろう。私をここまで執着させ魅了するとは彼の方こそ悪魔のようだ。

「悪魔 4」
爪が黒くなった。瞳が赤く光るようになった。ただそれだけだ。ああ、魔力も使えるようになったのだったな。しかし本質までが変わった訳ではない。悠久の生は退屈だと奴は言ったが、僕は歴史や文化の変遷に介入するのが面白くて仕方ない。今の僕だからこそ出来る事。悪魔で子供はしたたかなのだ。

「背中」
無力なくせに高飛車で高慢な小さな子供。とんでもない主に召喚されてしまったと思った。けれど彼は私の甘言には目もくれず迷いなく真っ直ぐに奈落へ続く道を突き進んで行く。その姿は一輪だけ咲いた豪奢で純粋な白の大輪の薔薇。最期の瞬間まで、凛とした姿勢を崩さないだろう背中を私は守っていく。

「彼女」
毎日決まって何時もの時間、何時もの場所で、ヤツは密会を重ねる。僕には決して立ち入る事の出来ない繋がりがそこにある。どうしても引き離せない関係に歯痒さを禁じえないけれど、嫉妬ではないのだと自分に言い聞かせ、今日も薔薇園から現れたしなやかな肢体の漆黒の彼女が尻尾を揺らすのを見ている。

「彼女 2」
いつかその日が来ると信じて疑わないのを見て、私は内心の嘲いを止められません。残念ながら幾らお待ちになられても「その日」は来ないのですよ。もうとっくに私の手に堕ちているのですから。今暫くは夢をご覧になるといい。哀れな人間。彼女の名はエリザベス・エセル・コーディリア・ミッドフォード。

「宝石」
この子供の瞳は左はサファイア、右はパープルクオーツ。何かに似ていると思ったらアレキサンドラインサファイアだった。光の偏光によって碧と紫に色を変えるその宝石は彼そのものだ。表の顔しか知らない者と裏の顔を知る者
では全く違う印象を持っている。人は真実を見失うらしい。どちらも彼なのに。

「美学」
お前の手を取ると決めた瞬間から、僕はそれ以前の僕を捨てた。子供である事を止めて、誰の手にも縋らずに自分の足だけで立って目的の為にはどんな手を使ってでも前に進むと決めたのだ。悪魔でさえも僕にとっては駒に過ぎない。最期の一瞬が訪れるまでシエル・ファントムハイヴでいる。それが僕の美学。

「最初で最後の」
幾通りかの推測をしていた。そしてその一つが確定した。僕は女王の番犬としての勤めを果たした。全てが終わり、今の僕は貴女の甥として此処にいる。我が子を抱けなかった代わりに僕達を愛してくれた貴女は女の子が欲しかったと言った。最初で最後のドレス姿は少しでも貴女への手向けになっただろうか。

「ダンス」
リジーにダンスを強請られて付け焼刃で覚えてワルツを踊った。シェーンブルン宮殿で覚えたというお前直伝のウィンナワルツ。お前はその時いったいどんな契約をし、何者としてそこに居て誰と踊っていたのだろう。今は僕の手を取っているけれど、この時が終わればお前はまた違う相手と死のダンスを踊る。

「プロポーズ」
生まれた時から婚約者が決まっているこの国の貴族社会ではプロポーズなどただの儀礼でしかない。適齢になったら主要な人々を集めその前で求婚するのだ。だが僕は魂を差し出せば全ての望みを叶える強大な力を与えるという悪魔からの命を引換にするプロポーズにイエスと答えた。僕は奴の、奴は僕のもの。


※※※  ※※※  ※※※

同題SSですので、他の書き手様も沢山の作品を呟く所にUPしていらして、私も勉強の為に拝読しております。
そして常々糖度が低いと自覚してはおりましたが、自分のお話が群を抜いて低糖度であると思い知りました^^;
何時か糖度の高いお話も書けるように精進してまいります。

                        たままはなま





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たままはなま

Author:たままはなま
生息地域 日本で唯一、神無月の無い県
誕生日  5月24日(双子座)
血液型  AB型
行動の指針 後悔は少ない方がいい。やらずに後悔する位なら、今やって失敗した方がいい。「このままで、明日、命を落としても後悔しないか?」これが、最終判断の基準です。
黒執事キャラ占いで、47%がセバスチャン、タナカが33%、劉が10数%、葬儀屋が8%、アバーラインが数%、坊ちゃんが1%で出来ていると出た人。
歯医者の待ち時間や、通勤の運転中にも、次回の執筆のネタを考えている創作好き。
こんな管理人でございますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます<(_)>

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