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After the Night Tea

2013–07–24 (Wed) 19:38
今回のお話は、相互リンクさせて頂いております
HEAVEN OR HELL?管理人の珠羅様よりリクエストを頂きました、
寮監セバスと生徒坊ちゃんのお話でございます。
なかなか良いシチュエーションが浮かばず、
苦戦しておりますが、楽しんで頂けましたら嬉しいです。

それでは、行ってらっしゃいませ。



After the Night Tea



夕食が済んだ後、頃合いをみて部屋を抜け出す。
課題の為の教科書とノート、筆記具を手に持って。
廊下ですれ違う生徒達は、
僕がほぼ毎夜、寮監の部屋に行って勉強を教えてもらっていると知っていて、声を掛ける。
「ファントムハイヴ君、毎日よく頑張っているね。」
僕は、はにかんだ笑顔で返すのだ。
「僕、途中から入学したものですから頑張らないといけないんです。」
何人もと擦れ違う度に、いちいち答えないとならないのが面倒なのだが、
この遣り取りをしておかないと、色々と勘繰られるようでは困るので仕方がないのだ。
学校生活というのは本当に鬱陶しい事ばかりだと思う。
特に、ここはカトリック系の全寮制学校なので朝のミサだの食前の祈りだのがある。
悪魔と契約している僕が神に祈るなどとは、まったくバカバカしい事この上ない。
しかし、もっとバカバカしいのは、僕が契約しているその悪魔が、
首からロザリオまで掛けて牧師の恰好をしていることだろう。
神から対極にあり、神と相いれる事などありもしないのに。
ヤツのそんな姿を見る度に、僕は笑い出したくなってしまうのだった。
学校の教師であり寮監として潜入しているとはいえ、下らない冗談にしか見えない。
そういう僕も、優等生然として振る舞い、
一日のうちに何度となく笑顔を振り撒く様は、自分でもうんざりするし、
普段の一年分くらいの愛想を一日に使い切っている気がする。
もういい加減、顔の筋肉がどうにかなりそうだ。
寮監室に向かう本来の目的が、その日の調査報告の為であったとしても、
普段の顔で過ごせる夜が待ち遠しかった。



デリック・アーデンに関する手がかりは全く掴めないままに日々が過ぎ、
決定的な情報を得ようとするなら、
校長が主催する夜のお茶会に招待される以外にないらしいという判断に至った。
普通には無理な事であっても、クリケット大会で校長の眼鏡に適えば、
その招待を受けられる事が分かったのである。
しかし、如何せん、各寮から11人しか選出されない選手に選ばれるだけでも難しい。
僕は運動というものを概ね苦手とし、今でこそ幾らかダンスを踊るようになったが
始めてヤツに手ほどきを受けた時には“壊滅的”とまで言わしめた運動音痴なのだった。
どうすれば選手に選ばれる事が出来るだろうかと考えていたところ、
僕が寮弟をしている上級生のクレイトンから呼び出され、
“ミカエリス先生”のたっての推薦という事で、
今度のクリケット大会の選手に選ばれたことを告げられたのだ。
褒めてやりたくなどないが、最高のサポートだった。
礼を言うように言われた手前、人目のあるところであったし、
一年生らしい無邪気さを装ってヤツの元に駆け寄り、わざわざ飛びついて喜びを示した。
勝敗、個人の成績、紳士らしいプレイ、そのどれを基準にするかは校長の気分次第。
しかし、点を獲り、寮の優勝に貢献し、お涙頂戴すれば完璧だろう。
どんな手を使っても“真夜中のお茶会”に招待されるべく、
僕達は動き出す事となったのである。



頭脳戦に関する計画を練り、その後クリケットの実戦の練習をする為、
この夜からは、僕が“ミカエリス先生”の部屋を訪れるのは、
他の生徒が来なくなる最も遅い時間にする事になった。
途中で邪魔が入っては秘密裡の行動が元も子もなくなってしまうからだ。
スイーツと紅茶を口にしながら作戦を立て、
練習が終わった後、疲労と昂ぶった神経を鎮める為のナイト・ティーを飲む。
今夜は初めての練習で疲れているので、甘いフルーツティーだった。
香りだけでも癒されていくようだ。
「坊っちゃん、今日はお疲れ様でした。
明日からもしっかりと練習なさって下さいね。」
にっこりと口角を上げるヤツは、スパルタ式で僕をしごけるのを楽しんでいるのだ。
「ああ、やるからには徹底的にやってやる。
絶対に校長の“夜のお茶会”に招待されなければ意味が無いからな。」
これだけの時間と労力を使っているのだ、必ず招待させてやる。
どのくらい投げさせられたか分からない程に球を投げ、投球練習で痛む肩をさすった。
「肩が痛みますか?」
ヤツが僕の隣まで来て肩に手を置く。
労わる様にというより、手のひらから熱を移す様に撫でる。
そういえば、学校に潜入してからは、
調査報告が済む頃には、何時も勉強をみてもらいに他の生徒が来るので、
こんな風にヤツと長い時間を共に出来るのは初めてだった。
僕はくすりと笑った。
「飢えているのか?」
腰を屈めているヤツの唇を指先で辿る。
それをちろりと舐められた。
「私は何時でも飢えていますよ。」
ヤツの言葉には二つの意味が含まれている。
僕との契約が終了するまでは、食事としての魂を食べずにいる事による空腹。
もう一つは、享楽を享受したいという意味での飢え。
「正直な奴だな。」
既に僕のネクタイは解かれ、シャツのボタンは外され始めていた。
「私は嘘を吐きませんし、誤魔化す事もございません。」
ニヤリとヤツが笑む。
首筋を舐め上げられ、微かに声が漏れる。
「いいお声です。そそられますね。」
僕はそのまま抱き上げられ、ベッドへと運ばれて行った。
本邸の僕のベッドと違うスプリングが、ギシギシと安い音を立てる。
シーツの肌触りは、それでもそう悪くはない。
寮監の部屋といっても、流石は一流の家の子供を預かる所だけの事はあるのだなと思った。
ただ、声は抑えないといけない。
ここの壁は屋敷の様には厚くはないのだ。
「坊っちゃんのお声を聞けないのは物足りませんね。」
胸元にキスを落としつつ、ヤツが小声で言う。
万一、何かの着替えの時に見られて困らない為に、
何処にも痕を残す事が出来ないのも気に入らない様子だった。
ゆらゆらと僕の体を揺らす度、ヤツの首から下がったロザリオも揺れる。
背徳的などという事には頓着しない僕だが、
ロザリオの振れ幅が小さくなったり大きくなったりするのを不思議な気持ちで見ていた。
高まっていく感覚の後に、一際大きく揺れるロザリオ。
僕の世界は、いつもとは少しだけ違う色に弾けた気がした。



END

※※※  ※※※  ※※※

上手く書けているか自信が無いのが本音のお話でございます;;
こんなお話でも宜しかったら、珠羅様にもらってやって頂きたいと思います。

次回作に取りかかっておりますが、
このところの暑さで少々バテておりますので、
新作UPまでお時間を頂く事になるかも知れませんが、
また覗いてみてやって下さいませ<(_ _)>

皆様も、充分な水分と適度な塩分をお摂りになられて、
体調を崩さない様にお気を付け下さいませ。

皆様のまたのお越しを心よりお待ち申し上げております。

            たままはなま
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たままはなま

Author:たままはなま
生息地域 日本で唯一、神無月の無い県
誕生日  5月24日(双子座)
血液型  AB型
行動の指針 後悔は少ない方がいい。やらずに後悔する位なら、今やって失敗した方がいい。「このままで、明日、命を落としても後悔しないか?」これが、最終判断の基準です。
黒執事キャラ占いで、47%がセバスチャン、タナカが33%、劉が10数%、葬儀屋が8%、アバーラインが数%、坊ちゃんが1%で出来ていると出た人。
歯医者の待ち時間や、通勤の運転中にも、次回の執筆のネタを考えている創作好き。
こんな管理人でございますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます<(_)>

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